田邉朔郎氏ゆかりの石灯籠
田邉朔郎氏ゆかりの石灯籠
 春の雨。草木が芽吹いてくる頃のうれしい雨です。

 今日3日は「元三大師堂」で護摩供が修せられました。毎月3日の10時から、護摩供のお勤めがあります。

 その元三大師堂の前に、白川石の石灯籠が立っています。ごく当たり前の光景ですが、実はこの石灯籠は、京都の近代化に欠かせない人物 田邊朔郎氏ゆかりのものです。そう、琵琶湖疎水を完成させた立役者の田邉氏です。

 灯籠は、疏水のおかげで村が豊かになったことへの感謝を表したいと、白川村の村長さんが寄贈したものです。ただ、田邉氏は謙虚な方で、邸宅内に石灯篭を立てるのを固辞されたため、「田邊朔郎君頌徳記念」として、明治40(1904)年に真如堂に立てられました。
 田邉邸は真如堂の門前にあり、今も孫の方が住んでおられて、朔郎氏の書斎「百石斎」が残っています。すぐ近い真如堂に奉納されたわけです。
田邉朔郎氏ゆかりの石灯籠

 灯籠には、裏側に「奉納 真如堂 工学博士田邊朔郎君頌徳記念」、表側には「明治四十年十一月 愛宕郡 白川村長 西村留藏」と彫ってあるように見えます。表側の字はわかりにくかったのですが、拓本を取ってようやく判読できました。

 通例からいうと表裏が反対ですが、おそらく最初の設置場所から今の位置に移す時に、単純に間違ったのでしょう。それとも田邊氏が謙遜されたとか?

 田邉朔郎氏も散策したに違いない真如堂へ、ぜひお越しください!


2025/03/03 13:47 | 固定リンク | 未分類