染井吉野と不定根

今日は肌寒い日となり、一気に開き始めた桜も、ちょっと動きを止めてしまったような感じです。
染井吉野の見頃は、土日でいえば、来週に持ち越しです。ちょうど入学式の頃になりそうなので、よかったですね。
これは染井吉野の幹ですが、朽ちているところに1本の幹のようなのが縦に伸びているのがわかりますか? これは「不定根」といって、植物の茎や葉、老化した根などから発生する根です。染井吉野は不定根が多く発生する品種なのです。
中が空洞になっている染井吉野には、必ずといっていいほど不定根が生じています。樹齢を重ねると、幹の芯が腐り、腐った芯材が土のような生育基盤となって、根を育てます。腐った芯材と若い枝がつながり、分裂して不定根となります。
染井吉野は寿命が短いと言われますが、この不定根を伸ばし地上まで誘引することで樹勢が回復します。植木屋さんが、そのようにして染井吉野の再生治療をされることも多いのですよ。