本堂の展示替え

朝一番に、本堂の展示替え。『大涅槃図』を片付けて、『花車図』(六曲一双)を展示しました。
一部のメディアなどでは、『大涅槃図』は4月6日まで公開されていると書いてあるということなので、小さい方の涅槃図(明兆作 南北朝期)はそのまま展示しておきました。案の定、まだ特別公開中と思って来られた方もおられたそうです。
まずは、6人掛かりで『大涅槃図』を降ろしつつ巻き取り、3人で担いで収納箱に収めました。『花車図』も結構な重さで、朝から大変な作業でした。
『花車図』は江戸初期の狩野派による一つの類型ですが、真如堂の花車図は最も早い時期の典型的な作品で、日本の絵画史における静物画の先駆的作例です。
右隻には藤と牡丹をなげ入れた竹籠二種を乗せた花車と燕子花(かきつばた)を積んだ汐汲車を、左隻には菊、萩、すすきで飾られた花車が描かれています。いずれの車も蒔絵や螺鈿で美しく飾られ、屏風の右から左へと季節は移行しています。
2011・2012年度に、絵の具の剥離や虫による食害などの傷みを修理しました。
『大涅槃図』ほどのインパクトはありませんが、優美な雰囲気に浸っていただけます。