涅槃図公開の準備

明日からの涅槃図特別公開に向けて、今朝、「大涅槃図」と明兆の涅槃図を本堂に掲げました。
今年は真如堂の涅槃図のそろい踏みという感じです!
大涅槃図は大きさが6×4メートルあり、相当な重量なので、ひとりが「右を上げて!」などと指示を出しながら、総勢6人掛かりで吊るす作業をしました。
大涅槃図は2011年に2年掛かりで大規模修理を終えたので、破れなどもなく、色も鮮やかに蘇りました。
裏面には、宝永6年(1709)に、三井家の女性たちが寄進をしたという記録が記されています。裏側まで回っていただくことは出来ませんが、こんなふうに記されています。
明兆の涅槃図は、大涅槃図よりも300年ほど前に製作されたもので、古びていて少し見えにくい箇所もありますが、さすがに風格を感じます。
大涅槃図に描かれている生き物の数は127種類で、明兆のよりもずっと多いです。涅槃図に描かれる生き物の数は、時代が新しくなるほど増え、また描かれる動物も、経典の記述から作者が想像したものなどから、現実的な動物に移っていく傾向にあります。
大涅槃図に猫が描かれている理由も、いろいろと真しやかに語られていますが、次第に身近な家畜が描かれるようになっていく一つの流れと考えるのが妥当かも知れません。
月の位置、動物の数、花をくわえるかくわえないかなど、両涅槃図の違いもご覧ください。