櫨(はぜ)の花

小さな花がいっぱい付いているのがわかりますか? 側を通ると香しい匂いがして、「ブーン」と虫たちの羽音が聞こえて来ます。
櫨(はぜ)の花です。香りや羽音がなければ、花に気が付くことはないでしょう。
秋には直径1センチ ほどの扁平な球形の実が熟し、かつては和蝋燭の原料などとして重宝されました。香りのいい蝋燭ですが、かなり高価です。他にも整髪料などいろいろな用途がある有用植物です。
ただ、葉や枝を傷つけると出てくる白い樹液が肌に触れると、ひどくかぶれをおこします。筆者は、この木を植え替えて大変な目に遭ったことがあります。
秋の紅葉はピカイチ! もみじよりも綺麗な、澄んだ朱色になります。ただ、近年は温暖化の影響で、そんな紅葉が見られなくなってきました。
病葉(わくらば)

この季節になると、明暗がはっきりすることがあります。
4月に芽を吹いて若葉を広げることが出来た枝、今になってもなんの動きもなく枯れていく枝、いったんは若葉を広げたものの気温の上昇に対応出来ない枝・・・実に悲喜こもごもです。
これは一番最後のケースです。最初は緑色でしたが、すっかり‘紅葉’してしまいました。気温が上がって葉からの蒸散が盛んになってきても、それだけの水分を葉に送れなくなって、紅くなっています。木の寿命という場合もありますが、カミキリ虫が幹に穴を空け、そこに蟻が巣くって木や枝が枯れていく場合も多いです。
明暗がはっきりするこの時期は、枯れてしまった枝を取り除く作業を始める時期でもあります。枯れ枝を放っておいては危険ですし、綺麗な紅葉も見られません。なかなか大変です。
♪ 病葉(わくらば)を 今日も浮かべて 街の谷 川は流れる ~ ♪ 「川は流れる」という歌の歌詞です。