『小林君之碑』
『小林君之碑』
 今朝は大文字山も比叡山もうっすら白くなっていて、日中も時々パラッと降っていました。

 背の高~いフランス人の方が訪ねて来られ、上手ではない日本語で「小林さんのこと・・・」と話し始められました。真如堂の近所には小林姓が多いので、そのことかと思ったら、どうやら境内にある『小林君之碑』という顕彰碑のことを尋ねておられるようでした。

 『小林君之碑』は、本堂の南東に建っています。碑には、 錦林学校出身の小林祝之助氏が第一次世界大戦正に義勇兵として仏国航空隊に入り、大正7年6月7日、クーヴルの上空で独機と戦っている時に機体から火を発して最期を迎えた。仏国大統領はクロバドーゲル勲章並感状を父忠一氏に贈って、赫々の武勲を表彰した。小林君の戦死は日本国民の忠誠勇武を欧洲に宣示すると共に日仏両国の親善に資するところが大きい。よって碑を建てその偉績を録すと記されています。

 碑の脇に設けてある説明板をご覧いただいた方は、何の碑かおわかりになりますが、100年以上前にそういうことがあったということを知る人はほとんどおられません。
 その方の仰るのには、フランスの第一次世界大戦で戦死した人の碑に小林氏の名前があるそうです。

 小林祝之助(おばやししゅくのすけ 1892~1918)氏は、哲学の道沿いの大豊神社の宮司さんの長男です。その顕彰碑がなぜ真如堂に建っているのか、「立命館 史資料センター」のサイト( https://www.ritsumei.ac.jp/archives/column/article.html/?id=46)で詳しいことがわかりました。「寺の周辺に住んでいた幼なじみが、祝之助の業績を記念するために寄付を募って建てたと聞いています」と 祝之助氏の甥が話されていたようです。

 その方の仰るには、フランス人の方々が小林氏に感謝をするために、真如堂の碑に献花をする機会を設けたいということでした。碑が日の目を見るとうれしいですね。碑の掃除をしなくちゃ!

2025/03/07 17:14 | 固定リンク | 日並記