「傳教大師巡錫之像」がキラキラ!

今日はお彼岸のお中日。朝は氷が張っていました。お天気がよかったので、「傳教大師巡錫之像」に塗料を塗りました。
同像は、仏師の故西村公朝師が1990年に製作されたもので、これを原形にして作られた大小の像が、大師が東国巡錫で歩かれた群馬県などに安置されています。
西村師はこの像を作るにあたって、故山田恵諦天台座主に僧衣・帽子姿でモデルをお願いされました。そういうこともあって、山田御座主の御自坊の大津・坂本の瑞応院さんにも同じ像があります。
なぜ真如堂にあるのか? 西村師は、真如堂第48世純孝師の弟子で、真如堂にはよくお越しになっておられました。師を荒廃した愛宕念仏寺の住職に任命し、再興を托したのも48世でした。また、2003年に亡くなった西村師に「天台大仏師大僧正公朝法印大和尚」というお戒名を付け、葬儀の導師を勤めたのは兄弟子の真如堂第54世でした。そんな切っても切れない縁の深い真如堂に、生前中にこの像を寄贈されたのです。しばらく本堂内に安置された後、1999年の傳教大師のご命日に今の場所に建立されました。
西村師は、比叡山に向かってこの像を安置して欲しいと仰いましたが、なかなか相応しい場所がなく、比叡山を背にして安置しました(写真ではよくわかりません)。その時、西村師が「しかたがないなぁ」というような顔をされていたのが印象的です。
安置してからずいぶん日が経ち、塗ってあった金色の塗料が剥げて黒ずんできてしまったので、今日、お化粧直しをさせていただいたというわけです。
春分の日の光を受けて、大師像はきらきら輝いておられました!