東山三十六峰を借景とした枯山水「涅槃の庭」とモダンな「随縁の庭」で静寂を感じていただけます。

涅槃の庭

天龍寺や東福寺などの名刹や宮内庁の庭園管理を手がけてきた名造園家・曽根三郎氏が1988年に作庭した枯山水です。入滅(お釈迦様の最期)をモチーフに、北を枕にして横たわるお釈迦様とそれを取り囲む仏弟子や生類を石組みで表し、ガンジス川の流れを白砂で描き出しています。
稜線をなぞるような有機的な生け垣の向こうには、比叡山や大文字山を含む東山三十六峰を望めます。心静かに穏やかに、いつまでも眺めていたい情景です。

燈明寺灯籠

京都府木津川市で興廃を繰り返した燈明寺にあった石灯籠で、三井家経由で1985年に寄進されました。この名物灯籠を模した「燈明寺形」が流行りますが、真如堂にあるものが本歌(オリジナル)です。

随縁の庭

日本を代表する作庭家・重森三玲の流れを引く重森千青氏が2010年に設計した庭園です。四つ目の家紋(三井家家紋)が印象的に配置されています。作庭にあたって、重森氏自ら境内を巡り歩いて見つけ出した石が再利用されています。
「随縁」とは「随縁真如」の略で、「真理が縁に従って種々の相を生じる」という教えです。その本質は変わらずとも、季節や天候、時間帯など条件の違いによってさまざまな表情を見せることで随縁を体現しています。