仏像

開創以来の御本尊・阿弥陀如来立像をはじめ、さまざまな仏様を拝観していただけます。

  • 重要文化財
  • 平安時代

秘仏御本尊
洛陽六阿弥陀めぐり 第一番

阿弥陀如来(中央)

来迎印を示す最古の阿弥陀如来立像

平安時代の比叡山の高僧・慈覚大師円仁の作。一木造で、九品来迎印の阿弥陀如来立像の中では最も古いとされています。不動明王と千手観音を脇士に従えており、その御厨子は年に1日だけ開帳(一般公開)されます。

女性を救う「うなずきの弥陀」

最澄に師事していた慈覚大師円仁が苗鹿大明神で見つけた霊木で阿弥陀如来像をつくり、比叡山修行僧の本尊として白毫(びゃくごう)を入れて完成させようとしたところ、如来は首を振って拒否しました。「では京に出てすべての人々、特に女性をお救いください」と頼むと如来は三度うなずいたという伝説から、「うなずきの弥陀」と呼ばれています。
阿弥陀如来像はその後しばらく比叡山常行堂にまつられていましたが、「急いで京に下山させるべし」という戒算上人の夢枕へのお告げを受けて、女人禁制の比叡山から東三条院の離宮に遷座されて真如堂開山へと至りました。

  • 平安時代

不動明王(左)

晴明の命を救った念持仏

陰陽師・安倍晴明が不慮の死に遭った時、家にまつっていた不動明王像が閻魔大王に直談判し蘇生させたと『真如堂縁起』に記されています。晴明逝去後に当寺に納められました。

  • 平安時代

千手観音(右)

伝教大師最澄作と伝わる観音様

千手観音には延命・病気平癒・夫婦円満・恋愛成就などの現世利益があり、多くの手であらゆる人々を救済してくれます。六道輪廻の思想に基づく六観音の一体です。

本堂

御開帳について

毎年11月15日に御本尊が鎮座する御厨子を開帳します。
本堂の内々陣に入り間近で拝観していただけます。
※拝観料が必要です。

洛陽六阿弥陀
めぐりとは

月ごとに決められた功徳日に、1番:真如堂→2番:永観堂→3番:清水寺→4番:安祥院→5番:安養寺→6番:誓願寺の順に3年3ヶ月間参り続けると、無病息災、家運隆盛、祈願成就のご利益があるとされています。
功徳日は、1月15日、2月8日、3月14日、4月15日、5月18日、6月19日、7月14日、8月15日、9月18日、10月8日、11月24日、12月24日、春秋彼岸。

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  • 平安時代

洛陽三十三所観音霊場巡礼 第5番

新長谷寺 十一面観音

新長谷寺

長谷寺御本尊の分身

十一面観音とは頭の上に11の顔を持つ菩薩で、六観音の一体です。長谷信仰が篤かった吉田神社創建者・藤原山蔭が神宮寺にまつっていた長谷観音の模造で、明治時代の神仏分離により真如堂に移築されました。高さ2メートル近い大きな像です。

洛陽三十三所観音霊場巡礼とは

平安時代、広域のため巡礼が難しい西国三十三所に代わるものとして、後白河法皇が京都の観音菩薩をまつる三十三寺院を定めたと伝えられています。応仁の乱などによる荒廃を繰り返し明治維新時の廃仏毀釈で中断しましたが、2005年に復興しています。

洛陽三十三所観音霊場巡礼について

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  • 室町時代

鎌倉地蔵

鎌倉地蔵堂

能の演目「殺生石」の物語に由来する地蔵尊です。家内安全、福寿、延命などの他、冤罪を晴らし心の病を治すご利益があるとされています。江戸時代初め、甲良豊後守宗廣によって真如堂の境内に移されました。

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  • 鎌倉時代

縣井観音

縣井観音堂

御所三名水の1つ縣井(あがたい)に現れた如意輪観音像で、病気平癒や女性の難産を救うご利益があると記されています。元禄6年(1693年)、真如堂尊通大僧正によって真如堂の境内に移されました。

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  • 江戸時代

善光寺如来

茶所

元禄7年(1694年)の信州善光寺如来出開帳から真如堂にまつられている善光寺如来の分身です。阿弥陀如来を中尊に勢至菩薩と観音菩薩が左右に並び、日本最古の仏像とされる一光三尊を忠実に再現しています。

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  • 平安時代

石薬師

薬師堂

蓮華のつぼみに似た大きな霊石でつくられた薬師如来像です。薬師如来はあらゆる現世利益を与え、特に病気平癒のご利益があります。御所の東北に位置する石薬師門に由来する仏様を元禄年間に真如堂の境内に移されました。

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  • 江戸時代

阿弥陀如来露仏

阿弥陀如来露仏

享保4年(1719年)、木食正禅養阿上人が建立。正禅上人は念仏信仰に生き、病人や民衆を救い社会事業に奔走した「市の聖」であり、功徳日参りで功徳を積む「洛陽六阿弥陀めぐり」を発願したと伝えられています。

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  • 平成2年

伝教大師像

本堂

真如堂にゆかりのある仏師、西村公朝作。伝教大師最澄が上野国・下野国を巡った頃の姿をイメージした伝教大師巡錫之像です。この他にも伝教大師最澄の像が本堂の中にも安置されています。